田中洋平建築設計事務所
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跳ね出しの家



2019 / 愛媛 / 店舗併用住宅(新築)

建築計画は建築主のイメージや思いから始まる。
打合せで建築主と設計者でイメージを出し合い、徐々に形作って計画が煮詰まっていく。
建築主のイメージや思いだけを満たしても不十分であると思うし、
設計者のイメージや思いだけが先走っても本当の意味での良い建築計画にはならない。
お互いが真摯に打合せに臨み、心から良い建築計画を目指すことでその実現が可能になるように思う。

敷地は海が近い、市街地中心部の平坦な土地。
ただ、この街も他の街と同様、人口流出が続いている。
建築主の要望はたくさんあったが、その中でも街を活気づけ、代表するような建物にしたいとのこと。
また、この地域は周囲を海と山で囲まれているが、夏は南東からの台風の風、
冬は北西からの季節風の影響が大きい土地である。
そのため、南東と北西からの風等を受け流すために
2階が四周に跳ね出す、街には他に見られないような特徴的な外観となった。
さらに風の影響が受けにくいように東西の壁にできるだけ開口部を設けないようにし、
逆に室内には南北を軸とした通風、採光が取れるように開口部を計画した。
打合せは長期間となったが、建築主と設計者のお互いが打合せに真摯な姿勢で臨んだことで、
街並みの中にアクセントとなるような建物が実現できたように思う。